訪問診療・在宅診療とは、医師が定期的に患者さんの自宅や施設を訪れて診察や治療を行う医療サービスのことです。教科書通りの説明をするとこうなりますが、もう少し砕けた説明をすると、Drコトー診療所のドラマをご存知でしょうか。先生と看護師さん一件ずつ自宅を訪問していく様子が想像しやすいのではないでしょうか。ただし、綺麗な海やマイナスイオンが出ている先生、美しすぎる看護師さんはなかなかいのが現実、、、また、オペ室がないところでの手術を行なったりとアクロバティックなこともできません。「あードクターコト良かったよね」と共感していただけた方、年齢が近しいものがあるかもしれません笑「ドクターコト知らない、、」そんなフレッシュなあなたも大丈夫、これからじっくり説明していきます。
訪問診療の対象になる人
訪問診療は「自力での通院が難しい人」が対象です。具体的には以下のような方が多く利用しています。
- 高齢で外出や通院が困難になった方
- 脳梗塞や神経難病で麻痺や運動障害がある方
- 認知症で病院に行くと混乱してしまう方
- がんの治療や緩和ケアを自宅で受けたい方
- 在宅での看取りを希望する方
このように、単に「病院が嫌いだから」という理由ではなく、医学的・身体的な事情で通院が困難な方が対象になります。
訪問診療と往診の違い
訪問診療は「往診」と混同されがちですが、実は少し意味が違います。
- 往診:体調が急変したときなど、臨時で医師が呼ばれて診察に来ること。
- 訪問診療:あらかじめ計画を立て、定期的に医師が訪れて診療を行うこと。
- 往診:体調が急変したときなど、臨時で医師が呼ばれて診察に来ること。
- 訪問診療:あらかじめ計画を立て、定期的に医師が訪れて診療を行うこと。
たとえば「毎月2回、火曜日の午前に訪問診療に来てもらう」といった形で、継続的にサポートを受けられるのが訪問診療の大きな特徴です。
訪問診療のメリット
1. 通院の負担が減る
長時間の移動が難しい方や、介護を担うご家族にとって、病院への通院は大きな負担です。大学病院の受診は1日がかりになることもあります。訪問診療では医師が自宅に来てくれるため、移動の手間がなくなります。
2. 住み慣れた環境で医療が受けられる
自宅は安心できる場所です。特に高齢者や認知症の方にとって、病院という非日常の空間よりも、自宅で診療を受けられるほうが落ち着いた状態を保ちやすいと言われています。
3. 医師・看護師と密な関係を築ける
定期的に訪問してもらうため、医療者と密な関係性が築きやすく体調相談など日常生活で困っていること等の相談がしやすくなります。小さな体調の変化にも気づいてもらいやすく、急変時には迅速な対応につながります。
4. 在宅で最期まで過ごす選択肢が広がる
「病院ではなく、自宅で最期を迎えたい」という希望を持つ方は少なくありません。訪問診療は在宅看取りの体制を整える大きな支えになります。
訪問診療のデメリット
1. 病院のような検査・治療が限られる
自宅ではレントゲンやCT、MRIといった大掛かりな検査はできません。必要に応じて外来や入院につなぐ対応が取られますが、病院ほどの医療機器は使えない点はデメリットです。
2. 緊急時にはすぐに対応できないことがある
夜間や休日の急変時は、待機している医師や看護での対応となります。救急車ではないので赤信号での停止はもちろんのこと、渋滞などすぐに駆けつけるのが難しいこともあります。常時、医療者がいる病院とは異なるため病院の救急対応と比べればタイムラグが生じることがあります。ただし、すぐに緊急連絡にて医師や看護師に相談する事が可能であり、緊急性が高い場合には救急要請を指示することもあります。迷った時にすぐに相談できるのは安心です。
3. 費用の面での負担
訪問診療は保険が適用されますが、通院に比べれば費用はやや高くなる傾向があります。交通費が別途かかる場合もあり、事前の確認が必要です。
まとめ
訪問診療は、通院が難しい患者さんが自宅で安心して医療を受けられる仕組みです。
- メリットは「通院負担が減る」「住み慣れた環境で医療を受けられる」など。
- デメリットは「検査や処置の制限」「費用面の負担」など。
- 対象は「通院が困難な方」で、高齢者や慢性疾患の患者さん、がんの緩和ケアが必要な方が多い。
患者さんやご家族にとっては「自宅で過ごしながら医療を受ける選択肢」として、看護師にとっては「地域で生きる人を支えるやりがいある仕事」として、今後さらに重要な分野になっていくのではないでしょうか。
まだまだ紫外線の強い季節。暑さ対策、紫外線対策必要ですね