訪問診療とは「お医者さんが定期的に家に来て診察してくれる仕組み」のこと。この記事では訪問診療を始めるまでの流れや費用について説明していきます。
訪問診療を受けるには
訪問診療を始めるには、いくつかのステップがあります。
- 主治医やケアマネジャーに相談する
訪問診療を受けたいとおもったら、今かかっている病院やクリニックの先生に相談しましょう。通院が困難になってきた場合、医師から訪問診療への切り替えを提案されることもあります。
また、介護保険を使っている方はケアマネジャーさんに相談するのも良いでしょう。訪問診療を含めた在宅医療の選択肢を提示してくれます。
- 訪問診療を行っているクリニックを探す
訪問診療をしているのは「在宅療養支援診療所・クリニック」や「在宅療養支援病院」と呼ばれる医療機関です。地域の医師会や市区町村の在宅医療相談窓口から情報を得られます。ケアマネージャーさんがついている方は聞いてみると近隣の訪問診療所を提案してもらえる場合があります。入院中の方は退院に向けた調整の際に、看護師さんや退院支援室の方に相談してみるのも良いでしょう。

ぱふ子の働いているところでは 退院支援室・ケアマネさん・介入中の訪問看護師さん、地域包括支援センターの方からご依頼をいただくことが多いです。もちろん個人で直接連絡をくださる方もいます。
- 初回の面談と契約
訪問診療を希望するクリニックに連絡すると、相談員さんが事前に説明に来てくれるところもあります。
• 病状や生活の状況
• どのくらいの頻度で訪問に来てもらえるか(例:月2回、週1回など)
• 緊急時にどう対応するか
• 費用はいくらくらいか
こうしたことを一緒に話し合い、納得したら契約を結びます。
4. 準備しておくもの
医療保険証・マイナンバーカード・介護保険証・介護負担割合証・かかりつけや入院先からの診療情報提供書(手に入らない場合には相談してみましょう) ある方は難病受給者証や障害者手帳など。面談や初診の際に用意していただくとスムーズです。
5• 訪問診療スタート
通常は月に2回くらいから始まることが多いです。体調や病状に応じて、月1〜2回の訪問が一般的ですが、必要に応じて(発熱や急な状態変化等による往診もあり)週1回以上になることもあります。定期的にお医者さんが自宅に来て内服薬等の調整もしてもらえるのは安心ですね。
訪問診療の費用
訪問診療の費用は「医療保険」が適用されます。患者さんの年齢や収入によって自己負担割合が異なります。
基本的な費用の考え方
• 医療保険が適用される(国民健康保険・社会保険など)
• 自己負担割合は 1〜3割
• 高額療養費制度を利用すれば上限額を超えた分は払い戻される
診療費の目安
訪問診療の料金は、診療所や患者さんの状態によって変わります。あくまで一例ですが1割負担の場合には以下のようになります。
• 月2回の訪問診療(1割負担の場合)
約5,000〜8,000円程度
• 在宅での看取りに向けた医療管理がある場合
・介護認定されている方:居宅療養管理費用 1000円程度(介護負担割合1割の場合)
また、夜間や休日の緊急対応などがある場合には追加の費用が発生することがあります。
※3割負担の方はこの3倍くらいになります。
※実際の費用は医療機関によって異なるため、必ず事前に確認が必要です。
交通費について
お医者さんが移動するための交通費は、保険適用外で実費を請求される場合があります。数百円〜数千円の範囲で、医療機関によって違います。契約の際に確認しておくと安心です。
まとめ
訪問診療を始めるには、まず主治医やケアマネジャーに相談し、訪問診療をしているクリニックと契約することから始まります。
費用は医療保険が使えるため、自己負担は1〜3割。交通費がかかる場合もあるので確認しましょう。訪問診療は「病院に行くのが大変になったから終わり」ではなく、「家でも医療を受けられる」という選択肢のひとつになってきています。